そんなこんなで、どたばたの国家試験も終了し、国家試験の結果が出る前の3月半ばに、私たちは看護学校の卒業式を迎えた。
私にとってこの3年間は、長かったようで本当に短い3年間だった。看護学校に行くと決めたあの時、これから3年間学校に通うかと思うと、とても長く感じ、本当に3年間も学生に戻っていいのか、と不安にかられたものだ。
しかし、実際過ぎてみると、あっという間の3年だった。そして、私が得たものは、入学する前に考えていたものよりも、はるかに大きいものだったのだ。
私は、この卒業式をとても晴れ晴れしい気持ちで迎えた。大学の卒業式も袴を着たが、今度のこの卒業式も袴を着ることにした。華やかにお祝いしたかったのだ。美容院で着付けをし、ヘアセットとメイクもしてもらうと、保護者の母と妹と一緒に卒業式の会場に向かった。
卒業式は、とても華やかな卒業式であった。普段管理的な中学校のような雰囲気の学校だったけど、卒業式はほのぼのとした、温かい卒業式であったのだ。
みんな一人一人、3年間の苦労がよみがえってくるのだろう。卒業証書授与の時点で感極まって涙ぐんでいる子もいる。そして、答辞にも熱がこもっていた。答辞を読んでいる学生も涙でつまり、私たち全員、この3年間のことを思うと泣けてくるのであった。
最後は、卒業生全員で、同級生の伴奏による合唱で終わった。ミスチルの歌だった。私は、歌を歌いながら、3年間色々なことがあり嫌な思いや辛い思いもしたけど、本当にこの学校に来て、みんなと勉強できて良かった、と心の底から思った。入学前には想像もできなかった様々な経験、泣いたり笑ったりしたこと、本当に私は一生懸命生きていた、とあらためて思った。
母は、かなり年下の同級生とはしゃぐ私を見て喜んでいたらしい。私が本当に自分の人生を生きているんだとわかったから。自分でも振り返ると思う。あの時の私は、きらきらと輝いていたと。
こうして私の山あり、谷ありの看護学校の生活は幕を閉じた。3月30日、国家試験の発表があり、結果は合格であった。新聞の地方欄には看護師国家試験合格者の名前が載る。その中に、小さく私の名前も載っていた。他人から見れば何てこと無い記事であるが、私にとっては3年間の結果である。その切抜きは今でも後生大事に宝物のようにとっておいている。
そして、4月からほとんどの同級生はそれぞれの病院へ旅立っていった。私はまたあらたに保健師学校の学生として新しい生活がスタートする。進む道はそれぞれ違うが、看護職として、またいつかどこかで会うかもしれない。私は私で、私の人生を歩んでいこうと思ったのであった。
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