大学生のときの私:たび猫の看護師転職記

大学生のときの私

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関東地方の田舎で育った私は、地元の中学・高校を卒業し、そのまま県内の大学へ無事合格。自宅から通えたため、一人暮らしをすることなく大学4年間を実家から通った。

 

大学では経済学部経営情報学科に在籍し、卒業後は実家近くの個人事務所の事務として就職した。大学時代、多くのお気楽な大学生のご多分にもれず、私は4年間遊びまくった。たまたま経営情報学科に受かっただけで、何かを学びたくてこの学科に入ったわけではなかった。ただ何となく入ってしまった。だから、入学してからは、青春時代を謳歌しようとばかりに、とにかく遊び、恥ずかしながら大学の授業はあまり出なかったのだ。

 

しかし、そんな私も3年生くらいになると、卒業してからのことが頭をよぎってくる。何も身につかないまま卒業して、果たしていいのだろうか。今は大学生という身分があり、若さもあって何をやっても楽しいが、もう少し年をとったらどうなるのだろう、と考え始めたのだ。

 

2歳年下の妹は、高校を卒業し看護学校に入学した。両親は妹が看護師になることをとても喜んでいた。そして、事あるごとに私や姉に、「妹は国家資格を取るから将来安泰だ。資格があると強いんだぞ」などということを言っていたのだ。

 

私には、妹のような強みはない。しかも、あまり一流ではない大学を卒業し、なんの取り得もない私だ。就職さえあるかどうかわからない。私が4年生になったころ、バブルもはじけ、不景気という冷たい風が吹き始めた頃のことであった。

 

私はどちらかというと活動的な性格だ。おとなしく家でじっとしている、ということができない性格である。結婚しても、専業主婦ではなく、一生自分もバリバリ働きたい、という希望があった。というか、専業主婦という、どちらかというと舞台の裏方ではなく、いつまでも表舞台で人生を楽しみたかったのだ。でも、今のまま卒業して、運良くいい仕事にありつけたとしても、ただのOLや事務職だと一度やめたらもうおしまい、いい条件の仕事なんてないと思われる。結婚後、家計を助けるために、やりたくもない仕事を安い給料で働くことになるのは真っ平だ。それはどうしても避けたい。どうすればいいだろうか、と私なりに悩んだ。

 

そこで思いついたのが、妹のように手に職をつけることだった。私は経営情報学科である。専門のゼミは労務管理だ。また、3年生か4年生の頃会計にも興味を持ち、会計学の授業も取っていた(さっぱりわからなかったが・・・)。「そうだ!税理士になろう!」と単純な私は考えついた。

 

思いついたら後は行動に移すのみだ。税理士になるには、税理士事務所で働くのが一番いいのではないかと思った私は、税理士事務所の就職試験を受けることにした。たまたま、父の知り合いの税理士事務所があるという。その事務所は、県内にいくつか事務所を持つ、大きな税理士事務所だった。これはチャンスだと思い、さっそく就職試験を受けた。そして、見事不合格。それもそのはず、4年間専門の勉強すらあまりやらなかった私である。知識が足りない。しかも面接で、志望の動機を聞かれた際、事前に考え丸暗記した文章を言おうと思ったら、緊張のあまり思い出せないところが出てきて、かなりしどろもどろの答えになってしまったのだ。丸暗記が裏目に出てしまった。こんなことなら、立派ではなくても、自分のその時の正直な気持ちを言えばよかった。

 

ショックだったけど、自分の今までの勉強不足を考えたら仕方ない。次に行こう、と頭を切り替え、どこかいい事務所がないか探していた。

 

すると、偶然姉の知り合いを通して、地元の社会保険労務士の事務所で人を探しているという。私に向いているのではないかと話が来たのだ。その時、労務管理を専門にしていたくせに、私は社会保険労務士なるものがどういうものかさっぱり知らなかった。「私は税理士になりたいのよっ」などと思ったが、話を聞いてみると、社会保険労務士とは顧問先の企業の社会保険の手続きをしたり、従業員の管理をする専門家だという(まさに私が専門にしていた労務管理)。給料計算や税金の計算など、税理士と同じ様な仕事をやる部分もあるという。しかも社会保険労務士は国家資格だ。「待てよ、これはいいんじゃないか」と考え直した私。すぐに面接をしてもらうよう、話をつけた。

 

面接の日、事務所にうかがった。個人事務所で、社会保険労務士である所長と、その他に事務の女性が2人だけ。2人とももちろん私より年上だ。そのうちの一人がやめるのだという。なんでも、その人は子供を育てていくため、看護師になるのだという。その時は「へぇ〜、高校卒業してすぐでなくても、看護学校に入れるんだ」と思った。まさか、その3年後自分が同じ道をたどることになるとは、思ってもみなかったが・・・。今思えば、この人が看護学校に行ったことが私に影響していたことも考えられる。この人のことがなかったら、若くもないのに看護学校に入ろうという発想がなかったかもしれないから。

 

とにかく、個人事務所であるので、こじんまりした静かな事務所である。所長は30代半ばの男性で、若くてとても良さそうな人。話しても面白い人だった。面接を受けに行った時点で、私を採用してくれることが決まった。確か11月くらいのことだったか。そして、一人やめてしまうので、できるだけ早く仕事に来て欲しいと言われた。年明けの1月から来てくれ、ということになり、大学の授業もほとんどもうなかったので、1月から働くことにした。こうして私の就職活動は、就職難にも関わらずたいした苦労もなく、無事に終わったのであった。

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たび猫の看護師転職記・目次

就職前(大学時代)

OL時代

看護学校時代

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