看護師をなろうと思ったきっかけ1:たび猫の看護師転職記

看護師をなろうと思ったきっかけ1

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まず、私は大学生の20歳だったころ、喘息を発症した。そのころ、毎晩飲み歩くようなことをしていた私は、かなり不規則な生活をしていた。しかも、それに加え、無理なダイエットも始めたのだ。そんな体を痛めつけるような生活をしていた時に、風邪にかかった。その風邪をきっかけに、喘息の発作を起こしたのだ。あまりの苦しさに、夜間病院に駆け込み、点滴をしてもらい、どうにか呼吸困難がおさまったという初めての経験をしたのだ。

 

私の祖父も喘息もちだった。医師は「あー、きっと隔世遺伝だね」と言っていた。それ以来、喘息は私の持病となってしまい、吸入薬を常に使ったり、発作が起きた時には薬を飲むなどしなくてはならなくなった。どうやら大人になってから発症する喘息というのは、一生治らず、上手に付き合っていかなくてはならないという。なんとも面倒な病気になってしまったと後悔したが、もう遅い。遅いけれども、ここから私は自分の生活を深く反省するようになった。そして、健康について考えるきっかけにもなったのだ。

 

自分の生活習慣が自分の体を弱め、それをきっかけに喘息を発症したのは明らかである。もちろん、祖父が喘息だったということもあり、遺伝的なものもあるだろう。しかし、それだけではない、というのが私の実感であった。自分の実感として、このことに気づけたのは、その後大きく影響していくことになった。

 

それ以来、大きな発作以外の時は、普通の人と変わらない生活を送っていた。しかし、雨降りの時や季節の変わり目、強いストレスが加わった時など、ちょっとしたことをきっかけに発作は起きた。一度大きな発作が起きると、横にもなれないほどの呼吸困難、もらっていた吸入薬や内服薬などが全く効かなくなってしまうのだ。「私は死んでしまうのではないか」と何度も思った。そのたびに病院に駆け込み、点滴をしてもらい、ぐったりして帰ってくる、ということを繰り返していた。幸い入院にいたることはなかったが。

 

そうすると、そのうち普段の生活にも不安が出てくるのだ。今夜も苦しくて眠れなくなったらどうしよう、また発作が起きるのではないかと。こんな病気と一生付き合っていくのかと思うと、本当にうんざりしてくる。

 

また、軽い発作が起きた時に飲む薬は、種類によって私に“手が震える”などのなんとも不快な副作用を起こした。たかが“手が震えるくらい”と侮るなかれ。私も最初はそう思い、我慢しようと思ったが、これはかなり不快な症状であった。しかも何となく気持ち悪くなってくる。医師に相談したら「それは、合わないんだろうからすぐ違うものに変えましょう」と言ってくれた。しかし、その時思ったのだ。「何かしら副作用がある危険な薬を飲み続けていいのだろうか」と。

 

これらの体験が、私に健康や人間の体、というものに興味を持たせていった。そんな時、就職してしばらくしたころだっただろうか。たまたま父が私に、あの有名な“脳内革命”という本を薦めてくれたのだ。面白いから是非読んでみろと。もともと本を読むのが大好きな私は、すぐに読んでみた。そして、本当に感動した。いや、感動した、というレベルのものではない。私の人生が大きく変わるきっかけになった本なんだから。

 

“脳内革命”は当時、超ベストセラーになった本なので、多くの人も読んでいると思う。私は、あの本で、人間の考え方が体に影響しているということが物理的に証明されていることに驚いたのと、東洋医学への興味が芽生えたのだった。考え方一つで体が変わるのであれば、私の喘息も治るかもしれない、と希望の光が見え、それ以来、私は誰になんと言われようと私の喘息は治ると信じてきた。

 

それから10年くらい経過した今、猫などの動物がいる環境に長期間いると軽い発作が起きるものの、普段は全く発作は起きない。完治まであと一歩といったところだろうか。

 

それからの私は、東洋医学の本や自然治癒力といった類の本を色々読んだ。その時アーユルヴェーダの本も読んだ。この本の中で、ごま油のオイルマッサージのやり方が載っていた。ごま油は老化を防ぐ一番の油だという。それ以来私はごま油のマッサージをずっと続けている。そのお陰で、肌だけは人によく褒められるくらい老化とは無縁なものになっている。これもアーユルヴェーダのお陰であろう。

 

アーユルヴェーダも東洋医学のうちの一つである(というか、確か原型だったような気がする)。東洋医学で素晴らしいと思ったことは、人の生き方まで触れているところだった。

 

西洋医学は、どちらかというと体を部分部分で見て、症状を見て治療する、といったもの。その人の性質や性格、生き方などではなく、病気や症状をみて判断するので、あまり人間全体をみていない気がする。治療のやり方も対症療法的だ。東洋医学は人間そのものを見て治療する、といったところがとても深いと思った。自分が、自分の不規則な生活のせいで喘息になったと思っていた私には、東洋医学のほうが納得できることであったのだ。

 

それから、私は東洋医学から広がって生き方や考え方について書いてある本、自己啓発本、精神世界の本などをとにかく読んだ。多分、この頃から私の“自分探しの旅”が始まっていたのだと思う。そして、これらの本を読むうちに、私自身もずいぶん変わっていくのであった。

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たび猫の看護師転職記・目次

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OL時代

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